Kyoto 一晴画廊 ICHIHARU GALLERY Blog

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「日本画家木島櫻谷 夭折の弟 木島桃村展」を終えて…


昨日、「日本画家木島櫻谷 夭折の弟 木島桃村展」の最終日を無事に終えました。
本展覧会では、朝日新聞社様、京都新聞社様、各先生方のお力もあり、本当に多くの方に御来廊いただきました。
皆様、お忙しいなか足をお運び下さいまして、真にありがとうございました。
「2回目です」とおっしゃって下さる方もあり、桃村さんの絵のパワーをしみじみ実感いたしました。
全力で走りきった展覧会でした。
閉店時間になり、木島様と展示の片付けを終えた後、そのまま床に倒れ込んでしまいました。
安堵と、桃村さんへの思いが溢れました。
「一晴画廊で桃村さんの初の個展をさせて下さって、ありがとうございました」と祈りました。
嘉一朗さん、櫻谷さん、桃村さん、私の曾祖父の秀太郎、その妹で嘉一朗さんに嫁いだはな。
天から見守ってくれましたことへ、御礼を伝えました。
親戚の縁だけではなく、私には宿命のように感じる展覧会でした。
私は画廊を始める数ヶ月前まで、非常に体調が悪く、ほぼ寝たきりの日々が長い間続いていました。
症状は悪化する一方で、布団の中で「もう大きな絵は描けないかもしれない」「写生に行くどころか、起き上がることも出来なくなるかもしれない」と、不安やあきらめに沈んでいました。
あと1枚でも描きたい。
部屋に広げたままの画材を、悲しく眺めていました。
心配して下さった作家さんが、小さなパネルに和紙を貼って、胡粉をひいて、すぐに描けるようにしてプレゼントして下さいました。
それに新たな絵を描くことを励みに、希望を持ち続けました。
同じ心情だったとは断定できませんが、病の間に筆をとって描かれたとされる桃村さんの「一夜の夢」も、そんな希望の絵だったのかもしれないと、勝手に想像しております。
そして、それを櫻谷さんが仕上げたことは、天に召された後であっても、桃村さんの大きな慰めになったかもしれないと。
私は回復し、今も描き続けていますが、桃村さんが用意していた22歳の10月の写生帖は、何も描かれないままでした。
亡くなられる3ヶ月前です。
まるで、つい先ほど用意したような、新品みたいにきれいな写生帖でした。

まだやるべき作業が多く残っていますが、ひとまず皆様へ無事に御観覧いただけましたこと、また木島様をはじめ、多くの方々の真心が集まりました、あたたかい光のような展覧会に携われましたことに、深く感謝いたします。
心から御礼申し上げます。

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  写生帖より