Kyoto 一晴画廊 ICHIHARU GALLERY Blog

京都・御所南 一晴画廊(企画) 展覧会、国内外で活躍するアーティストの作品情報などをお届けしています。 〒604−0951京都市中京区晴明町660(二条通り富小路西入る南側) 075−212−3484 080-5714-3753   info@ichiharugallery.com   http://ichiharugallery.com

牧﨑敦子メッセージ/「描く・育む・私の手」展


「描く・育む・私の手」展

牧﨑敦子 山名しおり

日本画

Hands that bring up children, hands that create art .

Atsuko Makizaki  Shiori Yamana

Japanese style painting

8 April(Tue) – 20 April(Sun)

2014 

牧崎敦子作品3

バオバブの木を見るためにマダガスカルへ行ったのはもう6年も前のことになります。
実際にこの目で見た木は、果てしなく大きく、大自然に力強くそびえ立ち、そして優しく、全てのものを包み込み見守っているような
そんな存在でした。沼地には青い睡蓮が咲きほこり、この世とは思えないほどの美しい景色に、目頭が熱くなりました。
体の中から何か熱いものが湧き上がるのを感じたことを今でもよく覚えています。
 
 
私は高校から大学院まで日本画を専攻していましたが、大学院を出る時、ある大きな壁に直面しました。
それは突然出てきたものではなく、私の中でずっともやもやとしていたものです。
このままでいいのか。日本画を描くにあたり、私はいつも目に見えない何かに縛られているように感じて
いました。同級生達が画家としての道を真っ直ぐ突き進む中、自分だけが足踏みをし続けている、そんな焦りが頂点に
達していました。
 
いつか留学してみたい、随分前から軽い気持ちで勉強していたフランス語、以前から何度か旅行していたこともあり、
藁にも縋る思いでもう一度フランスで絵を学ぶことを決意しました
 
フランスでは絵画教室の様なアトリエに通い、日々ヌードデッサンをしていました。
初心に返ってもう一度絵を描くということを見つめなおそう、そんな思いでした。
趣味で描いている方から、プロとして描いている方、私のような学生とメンバーは様々で、大学とは全く違う環境でした。
初めの頃は、これでは学生時代と何が違うのかと不安でしたが、その思いは少しずつ変化して行きました。
 
そしてある時友人に連れていってもらったある日本人の方の個展で衝撃を受けました。
フランスという環境が彼の絵を作り上げていたのかもしれません。
しかしそれは日本にいた時私が見たことのないものでした。
そしてその時にやっと自分を縛りつけていたものが、自分自身の中にあったということを悟りました。
もっと早くに気づくべきことだったのかもしれませんが、私はこのフランス留学の経験を通し、沢山のことに気づき、
少しずつ、画家として描いていく決意をしていきました。
 
 
そんな中、あるダンス教室の壁で個展をしていいというお話を頂きました。
その教室のオーナーにこんな絵を描いていると送った写真の中に、小さいバオバブのイラストのようなものを入れていたら
それをとても気に入って下さり、これをきっかけに私はバオバブのことを思い出し絵にすることになりました。
 
ひょんなきっかけでしたが、今思えばしかし私にとっては大きなきっかけでした。
以前からバオバブに限らず木を描くということが自分の思いを伝えるモチーフとして合っているように感じたことはありましたが、
このことをきっかけにそれは確信に変わりました。
 
その後帰国し、画家として制作活動を始めて程なくして結婚、出産した私にとって、バオバブもフランスも過去のものとなりましたが、それらに対する憧れや熱い思いは今も変わりません。
 
子供が生まれて描くことのできる時間が制限され、長女が生まれた頃には、焦りを感じることも多々ありましたが、子供は私にとって光であり、
彼らがいる生活を通し、私は心豊かになれたと感じています。
絵を描くということは私にとってもはや体の一部であり、切り離すことは決してできないものなので、今はゆっくりとですが、いつか子供達が喜んでくれるような絵を描き続けたいと思っています。

                message by 牧﨑敦子